2022/03/26 17:32
調子に乗って、
憧れのダッカモスリンの話です。
ダッカ・モスリンに使用される綿花は、「Phuti karpas」という名の種で、現在ではそれがどんな植物だったか正確には誰も知らないそうです。
世界の綿花の90%を占めるヒルスツム種とは全く異なっていたようです。
ちなみに、ふとん綿などに適している和綿は、
アルボレウム種で、
糸を作るには適していないようです。
アルボレウムは、インド辺りから大陸に広く行き渡ったと言われています。
「Phuti karpas」はアルボレウム種か、はたまた、ほとんど商業栽培されず、
正確な性質や分布が知られていないと言う、
幻のヘルパケウム種なのかな?などと想像の海を楽しんでしまいます。
Phuti karpasは気まぐれで、糸にしようとするとすぐに切れてしまうとのこと。
またヒルスツム種の細長い綿糸に比べて、Phuti karpasの綿糸はゴツゴツとしていてほつれやすいとも言われているそうです。
さて、この扱い難い素材は、朝霧のほんの短い時間に、水盤の上でしか紡ぐことができず、生産量はとても少なかったようです。
(写真:SAIFUL islam氏の『MUSLIN』より)
この気まぐれな「Phuti karpas」を、ダッカの人々はその歴史の中で使いこなす独自技術を発展させたようです。
想像すると、ロマンを感じます
